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所長ブログ

車両の購入に係る仕訳について

2024-09-24
カテゴリ:税務会計,法人税法,所得税法
1.車両価額が30万円未満の場合
まずは30万円未満の場合は一定の要件の下、一括経費として処理をすることができます(青色申告の場合)
10万円以上20万円未満の場合は一括償却資産という処理も可能となります(30万円未満の一括経費と3年一括償却資産との選択適用)。

 
2.車両価額が30万円超の場合
車両価額が30万円超の場合は上記のような処理をすることができないため「車両運搬具」などの科目を用いて有形固定資産に計上することとなります。

■取得価額に含めるもの
① 車両本体及び付属品
→車両の本体及び付属品については車両の価値そのもの及び価値を向上させるものであるため取得価額に含めることとなります。
■取得価額に含めるか含めないかの選択ができるもの
①自動車税、自動車取得税、自動車重量税などの諸税金
→本体価額という性質よりも所有にかかる性質を有する経費であるため
②自賠責保険料
→本体価額という性質よりも所有にかかる性質を有するものであるため
③法定検査費用(検査登録費用、車庫証明費用)
→法定検査費用による資産価値の向上を見込めないものであるため

■必要経費または損金となるもの
①リサイクル関連費用(シュレッダーダスト料金、エアバック類料金、フロン類料金、情報管理料金)
→廃車時にサービスを受けるための費用であるため
②代車及び納車に付随する費用

■その他の資産科目となるもの
①リサイクル預託金

【仕訳例】
車両を購入した、本体価額1,000,000円、付属品100,000円、自賠責保険料50,000円、自動車諸税80,000円
リサイクル関連費用50,000円(うちリサイクル預託金20,000円)、合計1,280,000円を現金で支払った場合
車両運搬具     1,100,000円 / 現金 1,280,000円
保険料          50,000円 /
租税公課         80,000円 /
支払手数料(車両費など) 30,000円 / 
仮払金など       20,000円 /

イメージとしてはこのような仕訳ではなかろうかと思います
また、自賠責保険料については新車購入時は2年分を一括払いすることになりますので、「前払費用」などの資産科目で処理を行い、期間の経過とともに必要経費又は損金として処理する方法もあります。
3.車両の下取りがある場合
車両の下取り部分については車両の売却となりますので、別途仕訳が必要となります。

【仕訳例(売却益のケース)】
車両を購入した、本体価額1,000,000円、付属品100,000円、自賠責保険料50,000円、自動車諸税80,000円
リサイクル関連費用50,000円(うちリサイクル預託金20,000円)、合計1,280,000円であったが、旧車両の
下取り価額200,000円を差し引いた1,080,000円を現金で支払った。
※旧車両の帳簿価額は50,000円であった。

車両運搬具(新車両) 1,100,000円 / 現金                 1,080,000円
保険料           50,000円 / 車両運搬具(旧車両) 50,000円
租税公課          80,000円 / 固定資産売却益   150,000円
支払手数料(車両費など)  30,000円 / 
仮払金など        20,000円 /

このような仕訳となります。
注意が必要なのは消費税の処理です。
固定資産売却益に消費税がかかる訳ではなく下取り価額に消費税がかかることとなります。
ですので上記仕訳例であれば車両運搬具50,000円と固定資産売却益150,000円の合計200,000円に消費税がかかることとなります。

【仕訳例(売却損のケース)】
車両を購入した、本体価額1,000,000円、付属品100,000円、自賠責保険料50,000円、自動車諸税80,000円
リサイクル関連費用50,000円(うちリサイクル預託金20,000円)、合計1,280,000円であったが、旧車両の
下取り価額200,000円を差し引いた1,080,000円を現金で支払った。
※旧車両の帳簿価額は300,000円であった。

車両運搬具(新車両) 1,100,000円 / 現金                 1,080,000円
保険料           50,000円 / 車両運搬具(旧車両)  300,000円
租税公課          80,000円 / 
支払手数料(車両費など)  30,000円 / 
仮払金など        20,000円 /
固定資産売却損      100,000円 /

上記のような仕訳となります。
この場合の消費税の処理については旧車両300,000円から固定資産売却損100,000円を差し引いたところに消費税がかかることとなります。

通常の売り買いであれば売却総額に消費税がかかるというのは一目瞭然かと思いますが、固定資産の売却損益の場合売却損益から帳簿価額を差し引くため、間違うケースもあるのではないでしょうか。
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